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文学・評論

The Testaments

Margaret Atwood

Doubleday 2019

待望のThe Handmaid’s Taleの続編。正編の15年後という設定らしい。
Gilead帝国は抵抗勢力への徹底した弾圧や外国への宣伝情報作戦で命脈を保っているが、内部に多くの矛盾や腐敗を抱え、その体制は盤石ではない。

そのなかで、権力の中枢にありながら秘かに体制転覆を図り、二重スパイの役割を果たすAunt Lydia、Commanderというエリート階級の家庭に生まれ育ったとはいえ、実は卑しい(子供を産むためだけに雇われる)Handmaidを母にもつ少女Agnes、幼い頃にGilead国から救い出されてカナダで育つが、Gilead国の人権侵害状況を告発するため、謎の二重スパイからの情報をキャッチしようと単身Gilead国に乗り込む少女Daisy、この三人を巡って物語が展開する。

設定はナチスと北朝鮮とイスラム国をブレンドした感じで、Handmaid’s Taleに比べて意外性がない。人物造型もちょっと安易な感じがする。Handmaid’s Taleのテレビドラマ化と同時並行して書いていたというから、若干大衆性を重視したのだろうか。やっぱり続編というのは難しいな。でも面白かったけれど。

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