フクチマミ・村瀬幸浩 KADOKAWA 2020.03.03
いやあびっくり。いわゆる普通の男女（パパ・ママ）に向けて、ここまで突っ込んだ話を、しかもわかりやすく（マンガで）、誰もが納得できる形で語った本はまずなかったのではないか。性交、妊娠、出産、まででなく、LGBTやセルフプレジャーまで網羅。タブーの領域を残さず、性を総合的に語り、理解してもらおうという意図が明確で、ほんとうに頼もしい。
私自身も基本的な知識はあるものの、あやふやなところもいっぱいあるし、伝え方の問題に至ってはほとんど自信がない。娘たちの場合はあまりface to faceで語ることもなく、本を与えてお茶を濁した経緯があるし、仮に孫が思春期を迎えるまで私が生きていたとしても、本書のような内容を正しく伝えられるか、まったく自信がない。唯一言えるのは、性に関してネガティブなイメージを持つような子には育てたくない、ということ。（ネガティブというのはもちろん、性にまつわる暴力性なども含む）。
いずれにしても、このような性に関する考え方と「性教育」のあり方が、日本のスタンダードになる日が来ることを願う。